印刷厚みがはんだ接合に与える影響
基板実装におけるはんだ印刷では、印刷厚みが接合品質を大きく左右します。厚みは見た目では判断しにくい要素ですが、はんだ量やセルフアライメント、さらにはリフロー後の不良率に直結する重要なパラメータです。
印刷厚み不足による不具合
- はんだ量不足 → 部品リードやパッドとの接合面積が小さくなり、接合強度不足や通電不良が発生しやすくなる
- セルフアライメント力の低下 → リフロー中の表面張力による補正作用が弱まり、位置ズレ補正が効きにくくなる
- BGAやCSPなど微細パッケージでは、ボールの潰れが不十分となり接続不良を誘発する
印刷厚み過多による不具合
- 隣接パッド間でのブリッジ発生
- リフロー時のボイド増加(過剰はんだが気化ガスを抱き込みやすい)
- 大型部品のズレやチップ立ち(マンハッタン現象)を引き起こす
適正な印刷厚みの考え方
最適な印刷厚みは、部品サイズ・ピッチ・基板設計によって異なります。一般的には以下のような目安が用いられます。
- 標準的なチップ部品:0.10〜0.15mm
- 微細ピッチ部品(0.5mmピッチ以下):0.08〜0.12mm
- 大型パワーデバイスやコネクタ部品:0.18〜0.25mm
まとめ
印刷厚みは単なる「見た目の量」ではなく、はんだ接合の信頼性を決める根本要素です。薄すぎても厚すぎても不良の原因となるため、メタルマスクの設計や印刷条件を見直し、適正な厚みを維持することが重要です。