印刷厚みがはんだ接合に与える影響とは?適正厚みの目安と注意点

印刷厚みがはんだ接合に与える影響

基板実装におけるはんだ印刷では、印刷厚みが接合品質を大きく左右します。厚みは見た目では判断しにくい要素ですが、はんだ量やセルフアライメント、さらにはリフロー後の不良率に直結する重要なパラメータです。

印刷厚み不足による不具合

  1. はんだ量不足 → 部品リードやパッドとの接合面積が小さくなり、接合強度不足通電不良が発生しやすくなる
  2. セルフアライメント力の低下 → リフロー中の表面張力による補正作用が弱まり、位置ズレ補正が効きにくくなる
  3. BGAやCSPなど微細パッケージでは、ボールの潰れが不十分となり接続不良を誘発する

印刷厚み過多による不具合

  1. 隣接パッド間でのブリッジ発生
  2. リフロー時のボイド増加(過剰はんだが気化ガスを抱き込みやすい)
  3. 大型部品のズレやチップ立ち(マンハッタン現象)を引き起こす

適正な印刷厚みの考え方

最適な印刷厚みは、部品サイズ・ピッチ・基板設計によって異なります。一般的には以下のような目安が用いられます。

  1. 標準的なチップ部品:0.10〜0.15mm
  2. 微細ピッチ部品(0.5mmピッチ以下):0.08〜0.12mm
  3. 大型パワーデバイスやコネクタ部品:0.18〜0.25mm

まとめ

印刷厚みは単なる「見た目の量」ではなく、はんだ接合の信頼性を決める根本要素です。薄すぎても厚すぎても不良の原因となるため、メタルマスクの設計や印刷条件を見直し、適正な厚みを維持することが重要です。