リフロー炉のコンベア速度と温度プロファイル最適化のポイント

コンベア速度とは?

コンベア速度は、リフロー炉における熱移動量を左右するコントロールレバーです。温度設定が同じでも、コンベア速度によって基板が炉内で受け取る熱量(積分値)は大きく変わります。

コンベア速度と熱移動の関係

  • 速度が遅い場合:熱移動時間が長く、部品全体にじっくり熱が回る
  • 速度が速い場合:表面は加熱されても内部や大型部品に熱が届きにくい

特に高密度基板では部品やパターンが「熱の影(ヒートシェード)」となり、局所的な温度差が生じます。この場合、コンベア速度をわずかに落とすだけで、温度ムラが大きく改善されるケースがあります。

コンベア速度調整のメリット

  1. 温度ムラの改善:大型部品や密集部品にも均一に熱を供給
  2. プロファイル設計の柔軟性向上:温度設定を大きく変えずに熱量を調整できる
  3. 実装不良低減:濡れ不良やボイドの改善に効果的

調整のポイント

  • ピーク温度だけでなく、溶融保持時間を確認
  • 速度変更は少しずつ(0.05~0.1m/min単位)で検証
  • 速度と下部ヒーターの組み合わせで最適解を探る

まとめ

コンベア速度は、リフロー条件を微調整する上で非常に有効なパラメータです。温度設定よりも細かく効き、熱バランスや不良改善に直結します。基板や部品の特性に応じて、速度を最初のチューニング項目として活用しましょう。