なぜブリッジは起きるのか?原因と防止策

ブリッジ発生要因と防止策

はんだ付け不良の中でも頻発しやすく、歩留まりを大きく下げる要因となるのがブリッジです。ブリッジは隣接するランド間にはんだが意図せずつながり、ショート不良を引き起こす現象です。特に鉛フリー時代に入ってからは、はんだの濡れ性が低下し、より発生しやすくなっています。本記事では、ブリッジが発生する原因と現場で実践できる防止策を解説します。

ブリッジが発生する主な要因

1. 印刷過多

メタルマスクの開口設計や印刷圧力が適切でない場合、必要以上にはんだが供給されます。特に微細ピッチQFPやBGAでは、余剰はんだが隣接ランドに流れ込みやすく、ブリッジの直接的原因になります。

2. メタルマスク設計不良

開口率や形状、テーパ角度が適切でない場合、はんだが均一にリリースされず、偏りやダマが発生します。結果として、リフロー中に表面張力で余剰はんだが流れ、隣接ランドとつながります。

3. フラックス劣化

フラックスの活性が弱まると、はんだの濡れ性が低下し、ランドにしっかり広がらなくなります。その結果、はんだが「玉状」に残りやすく、ブリッジを形成しやすくなります。保管環境や印刷後の放置時間にも注意が必要です。

4. リフロー条件の不適切さ

昇温速度が速すぎるとフラックスが暴発的に揮発し、はんだが跳ねてブリッジやはんだボールの原因となります。逆に昇温が遅すぎると活性が失われ、濡れ不足からブリッジにつながります。

現場でできる防止策

  1. メタルマスク設計の最適化:微細ピッチ部品では開口率60〜70%に調整し、テーパ角度を付与する
  2. 印刷条件の安定化:スクイーズ圧・速度を一定に保ち、基板固定を確実に行う
  3. フラックス・ペーストの管理:保管温度・印刷後の放置時間を管理し、粘度変化を抑える
  4. リフロー温度プロファイルの調整:急激な昇温を避け、プリヒートを適切に設定する
  5. 検査工程の強化:SPI(はんだ印刷検査)やAOI(外観検査)で早期に異常を検出

まとめ

ブリッジは「印刷過多」「設計不良」「フラックス劣化」「プロファイル不適切」と複数の要因が絡み合って発生します。単一要因ではなく工程全体のバランスを見直すことが防止への近道です。印刷工程・材料管理・加熱条件の3つを徹底することで、ブリッジは大幅に低減できます。

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