挿入実装とは?表面実装との違い・メリットとデメリットを徹底解説

基板実装には大きく分けて「挿入実装」と「表面実装」の2種類があります。本記事では、挿入実装の特徴や工程、表面実装との違いを比較し、それぞれの適用例やメリット・デメリットを解説します。

挿入実装とは

挿入実装は、リード付き部品を基板のスルーホールに差し込み、はんだ付けで固定する実装方法です。スルーホールによる強固な接合が可能で、応力のかかる部品でも信頼性の高い接合ができます。一方で、基板面積を多く消費するため、高密度実装には不向きです。

挿入実装の主な方法

  • 手実装(手挿入):人の手で部品リードを成形し、はんだコテで接合。小ロット生産や修理時に使用。
  • フローソルダリング:コンベアで基板をはんだ槽に通し、一括ではんだ付け。大ロットや部品点数が多い場合に適用。

表面実装とは

表面実装は、スルーホールを使わず、基板表面のパッドに部品を直接実装する方法です。小型化・高密度化が可能で、現代の電子機器で広く採用されています。ただし、接合強度は挿入実装に比べて劣ります。

表面実装の標準工程

  1. クリームはんだを基板に塗布
  2. チップマウンターで電子部品を搭載
  3. リフロー炉で加熱し接合

挿入実装と表面実装の違い

項目 挿入実装 表面実装
接合強度 高い(しっかり固定できる) 低い(微細な接合部)
実装面積・密度 大きい(密度は低い) 小さい(密度は高い)
熱影響 局所加熱のため少ない 全体加熱のため高い
回路抵抗 大きい 小さい(高速回路向き)

まとめ

挿入実装は強度重視の部品に最適で、表面実装は小型化・高密度化に適しています。製品設計時には、部品特性や用途に応じて両者を組み合わせることが効果的です。