ボイドの発生要因と対策

ボイドの発生要因と対策

リフローはんだ付けにおいて「ボイド(void)」は、目視では確認できない代表的な内部不良のひとつです。X線検査でしか発見できないため、見落とされやすく、長期信頼性に大きく影響します。

ボイドとは?

ボイドとは、はんだ接合部にガスや空気が閉じ込められた状態を指します。特にBGAやQFNの下部など、外部から確認できない箇所で発生しやすく、放熱性能や電気的接続の安定性を損ないます。

主な発生原因

  • フラックスの揮発ガス:昇温が急すぎるとガスが抜けきらず残存する。
  • プリヒート不足:フラックスの活性時間が確保できず、ガス排出が不十分。
  • 濡れ不足:酸化膜や表面処理不良で濡れが進まず、ガスが閉じ込められる。
  • 印刷条件不良:過剰なペースト印刷で溶融時に空気が巻き込まれる。

改善アプローチ

  1. プリヒート時間を適切に確保し、フラックスを安定的に活性化させる。
  2. 昇温速度を1.0〜1.5℃/秒に調整し、ガスの逃げ道を確保する。
  3. メタルマスク開口形状を最適化し、過剰なはんだ量を避ける。
  4. 必要に応じて窒素雰囲気リフローを導入し、酸化を抑制する。

まとめ

ボイドは「見えない不良」だからこそ、事前の設計とプロファイル管理で未然に防ぐことが重要です。特にBGAやQFNなど高密度実装基板では、ボイド対策が長期信頼性の要になります。

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